練習を重ねたマジシャンだけが習得できる究極の技術である「スライハンドマジック」。
観客を圧倒させる華麗なテクニックは、多くの人を魅了します。
今回の記事では、スライハンドマジックに焦点を当てて、そのやり方や魅力をお伝えしていきます。
スライハンドマジックをマスターすれば、あなたもプロマジシャンの仲間入りができるかもしれませんよ!
目次
スライハンドマジックとは?
スライハンドマジックとは、手先の技術だけで行うテクニック主体のマジックのことです。
さっそく詳しく説明していきましょう。
「スライハンド」の意味と「ギミック」との違い
まず、マジックの世界で有名なワードとなる「スライハンド」と「ギミック」について説明していきます。
「スライハンド」
「スライハンド」の正式名称は「スライト・オブ・ハンド(sleight of hand)」。
特別な仕掛けなどがなく、マジシャンの技術のみによって成り立つマジックで、見せ方ひとつで個性を出すことが可能です。
スライハンドマジックはやり方を知っていても、素人には実演することができないほど難しいものが多いマジックです。
そのため、マスターして成功させたときの喜びは、マジシャン冥利に尽きるでしょう。
もし他のマジシャンにはできないスライハンドマジックの技術を修得すれば、プロマジシャンとして日本のみならず世界のマジック界で一目置かれる存在になれるかもしれません。
「ギミック」
マジック界でよく聞く「ギミック」は、マジックの仕掛けや細工のことをいいます。
マジックの商品として販売されているアイテムの多くは、「ギミック」が仕込まれたマジック道具です。
簡単な仕掛けが施されたアイテムであれば、技術がなくても少しの練習でできることもあるので、初心者におすすめです。
しかし、手先の技術が全くない状態でギミックのマジックを披露すると、種がすぐにバレて観客を魅了することは難しいかもしれません。
ギミックを使用するマジックをするにしても、スライハンドの技術はある程度必要になってくるでしょう。
「スライハンド」も「ギミック」も、両方を上手く合わせることで観客をよりマジックの世界に引き寄せることができるのです。
「スライハンド」という言葉を使った漫画
マジックとは関係ない分野で「スライハンド」という言葉を使用している漫画があります。
それは、書籍の題名ともなっている「スライハンド 」というサイキックミステリーの漫画です。
スライハンドの使い手である主人公が、その特殊能力を悪用しようと企んでいる裏組織から逃亡するといったストーリー。
漫画のような特殊能力を手に入れることはできませんが、マジックでならあなたもスライハンドを習得することは夢ではありませんよ。
スライハンドマジックを披露する際のポイント
仕掛けのないスライハンドマジックは、練習を積むことで確実に上達していきます。
ここでは、スライハンドマジックを披露する上で知っておきたいポイントを紹介していきます。
滑りの良いトランプを使う
誰もが憧れるスライハンドマジックをカードで成功させるためには、まずマジックに向いているトランプを準備することがポイントです。
カードマジックでは通常、滑りの良い紙製のカードが適しています。
遊びに使うトランプはプラスチック製が多いですが、プラスチックのカードは摩擦によってカード同士がくっつきやすく、滑りが悪くなるためマジック向きではありません。
紙製のカードの中でも世界トップクラスで有名な「バイスクル」は、多くのプロマジシャンが使用している人気のブランドです。
初心者がマジックをはじめるなら、まず検討にいれるべきトランプでしょう。
他にも、バイスクルと同じ会社が製造している「タリホー」も人気です。
カードの滑りはバイスクルほどないとされているので、自分の扱いやすい商品を選ぶといいでしょう。
カードマジックの基本的な技術を完璧にする
カードマジックでスライハンドを習得するには、カードマジックで使用する基本的な技術を完璧に磨き上げることが大切です。
正しい方法で基本を身につけることが、鮮やかで美しいスライハンドマジックを習得する秘訣だからです。
- リフルシャッフル
- フラリッシュ
- リボンスプレッド
- ブレイク
- カードコントロール
このようなカードマジックの基本的技術を完全にマスターしておくことが、カードでスライドハンドのマジックを成功させる秘訣です。
マジック界で有名な「サーストンの3原則」を意識する
「サーストンの3原則」はマジシャンがマジックをする上で守るべき大切なルールです。
アメリカを代表するマジシャン「ハワード・サーストン」の名が付いた「サーストンの3原則」について説明していきます。
マジックを演じる際は先に起こる現象を説明しない
マジックでこれから何が起こるのかを前もって説明するよりも、いきなり結果を見せる方が観客はドキドキ感やワクワク感を堪能できます。
テクニックが身に付いた状態で先に説明するスタイルもアリですが、初心者がより驚きと感動を伝えたいなら、これから起こる現象は伝えないほうがいいでしょう。
びっくり箱を開けるとき、何か飛び出ることを前もって知っていれば、驚きが半減するどころか、心の準備ができて全くびっくりしませんよね。
それと同じことです。
同じマジックを繰り返して演じない
同じマジックを連続して演じることは、観客も結末がわかっているので驚きが少なくなります。
また結果がわかっている手品では、観客側は落ち着いてタネを見つけようとするので、ネタがばれてしまう危険性も高くなります。
マジックの種類によっては、何度も繰り返すことで不思議度が増すこともあるので、一概にはいえませんが、基本的に同じマジックを続けてするのは控えた方が安全です。
種明かしはしない
マジックのネタはその場でバラさないことも大切です。
マジックのトリックを知ってしまうと「たいしたことないな」と思われてしまい、最初に凄いと思ったマジックの感動や驚きが色あせてしまいます。
感動に包まれた雰囲気が一気に冷めてしまっては悲しいですよね。
マジックの種は明かすことなく、自分の心にしまい込みましょう。
スライハンドマジックのやり方&種明かし
では、実際にスライハンドを技術を活かしたマジックを紹介します。
ここで紹介するマジックは比較的簡単ですので、種明かしを参考に練習すればあなたもスライハンドマジックができるようになるはずです。
コインの消失マジック
1枚のコインが突如消えて、また再度現れるマジックです。
コイン自体には種も仕掛けもありません。
コインが消えたり現れたりするとてもシンプルな手品ですが、上手く披露できると鮮やかな指の動きで見ている人を圧倒させることができます。
さっそくコインマジックのテクニックの1つ、残像を利用したコインの消し方「リテンションバニッシュ」を紹介します。
やり方&解説
- 銀色のコインを1枚用意する
- 右手の親指と人差し指でコインの端の上の方を少しだけつまみ、人差し指と中指でコインの側面と下部を軽く支えながら観客にコインを見せる
- 右手にあるコインを左手に渡すように、左手の手のひらに近づけてコインを握る動作をする
- 3と同時に右手は中指を軽く折り曲げて、コインを右手内側に隠す(※光の残像を利用して握ったように見える)
- 握っている左手を広げてコインがないことを確認させる
このマジックは、コインを握る動作とコインを隠すタイミングがポイントです。
右手で持っているコインを左手の手のひらに近づけていき、両手の小指が触れた瞬間に素早く左手はコインを握る・右手はコインを隠す動作を行ってください。
コインを普通に持っている状態の右手の形と、リテンションバニッシュした後の右手の形が同じになるようにしましょう。
また、観客が後ろや左側に人がいる場合は、右手にあるコインの隠れ場所が見えてしまうのでネタバレの原因となります。
しっかり観客のいる場所を確認してから、コインの消失マジックを披露してみてくださいね。
指輪の出現マジック
続いて、指輪を使ったスライハンドマジックを解説します。
「指輪を持っていたら貸してください」とはじめることができるので、このマジックをマスターしたら合コンや飲み会で注目されること間違いなしです。
指にはめていた指輪が瞬間移動したり、外した指輪がまたはまったりする驚きのマジックです。
観客の視線と心を掴みやすいので、ぜひマスターしてくださいね。
やり方&解説
- 観客から借りた指輪を右手の中指にはめる
- 右手を中指と人差し指でチョキの形にして左手上腕部に当てながら、「これから指輪がジャンプします」と言う
- 「ジャンプジャンプ!ジャンプジャンプ!」と自分で言いながら、チョキにした指を素早く左手上腕部をたたく(※しっぺをするようなイメージ)
- さらに「ジャンプジャンプ!」と言いながらタイミングをみて、左手上腕部をたたきながら人差し指と薬指を入れ替える(※中指はそのままの状態)
- 何度か「ジャンプジャンプ!」の声に合わせて、交互に人差し指と薬指を入れ替えて指輪がジャンプしかたのように見せる
- 次に「この指輪ジャンプしましたよね!」と言いながら中指にはまっている指輪を左手で外して、観客に見せる
- その指輪を再度左手で中指に戻す仕草をしながらすばやく人差し指にはめる
- 指輪をはめた瞬間に人差し指を折り曲げて観客に見えないようにする(※中指だけ真っすぐな状態)
- 再度そのまま中指にあるはずの指輪を外すような動作をする
- 左手で外した指輪を握っているように見せて、「見ててこの指輪、えぃ!」と言って右手の中指と人差し指を一瞬で入れ替える
- 観客に「指輪貸してくれてありがとう」と言いながら、人差し指の指輪を外して左手にフェイクパスをして握る
- 観客を左手に注目させながら、右手で持っている指輪を中指と親指を使い片手で人差し指にはめる
- 指輪を握っているはずの左手を開き、「あれ?ない...」と言って右手の人差し指を見せる
人差し指と薬指、中指を入れ替えるだけの実にシンプルな動きですが、スピードがあると全くバレることのない驚きのマジックです。
最初に「ジャンプジャンプ!」と言いながら、人差し指と薬指を入れ替えるマジックはバレやすいですが、次の人差し指を中指を入れ替えるタネはバレにくいです。
それは実際に指輪を外すシーンを観客に1度見せることで、「あ、本当に外れてるんだ」と思わせることができるからです。
同じ動作を2回することで、2回目も指輪が外れていると当然のように観客に思い込ませることができます。
まずは指の素早い動きを練習して、鏡を見ながら何度もチャレンジしてみてくださいね!
スライハンドマジックで周囲を驚かそう
スライハンドは、マジックにおいて欠かせない技術の1つです。
派手なステージマジックも人気がありますが、とくに目の前で行われるクロースアップマジックでは、マジシャンの手さばきに感動さえ覚えます。
そんなスライハンドマジックを習得したいと思う人は、練習あるのみです。
まずはマジックの動画を見て技術を学んでみてはいかがでしょうか?
マジック動画配信サイト「Magic Movie Japan(MMJ)」では、コインやトランプなどを使用したマジックがプロマジシャンによって解説されています。
難易度別にマジックの種明かしも公開されているので、初心者でもマジックの技を身につけるには最適のサイトです。
マジックに関する記事の投稿も盛り沢山なので、マジック好きなら楽しめること間違いありません。
さまざまなマジックをしっかり学んで、いずれはスライハンドマジックで周囲をアッと驚かせてくださいね。
スライハンドマジックを生で見るにはマジシャンの派遣サービスおすすめ
スライハンドマジックは、マジシャンの手さばきが成功のカギを握っています。
動画を見ながらマジックを練習するのもいいですが、プロマジシャンの手さばきを生で見るのも勉強になります。
会社の宴会や誕生日パーティー、ブライダルなどのイベントがある人は、ぜひマジシャンの派遣サービスを活用して、プロのマジックショーを体験してみてください。
きっと動画だけでは得られない感動や驚きを感じることができ、彼らの手さばきだけでなく、トークも勉強になるはずです。
プロマジシャンを派遣するサービス「MAGICDOOR」では、世界大会に出場した実力派のマジシャンが多数在籍しています。
予算に合わせたマジックショーを提案してくれるので、ぜひ一度相談してみるのがおすすめです。
スライハンドマジックはマジシャンの基礎
今回紹介したスライハンドマジックは、練習すれば必ず上達するマジックです。
スライハンドマジックは仕掛けがない分、自分の腕だけが頼りなので、スライハンドを練習すればするほどマジックの腕が確実に上がるでしょう。
スライハンドマジックというテクニカルな技術をしっかり磨いて、鮮やかな手さばきで周りの人を魅了してくださいね!
この記事のまとめ
- 「スライハンドマジック」とは手先の技術で魅せる仕掛けが施されていないマジックのこと
- スライハンドの技術は日々の練習で上達する
- 「スライハンドマジック」を披露するなら「サーストンの3原則」を意識することが大事
- 動画を参考にしながら「スライハンドマジック」を練習するのがおすすめ