トランプゲームやカードマジック、タロット占いなどで、わたしたちはカードを混ぜるためにシャッフルやカットを行います。
一般的に「カードをきる」ともいいますよね。
シャッフルはカードを持ったりテーブル上に並べたりしながら混ぜる方法で、カットは1組のカードをいくつかに分割し、上下の順番を入れ替えていくという方法です。
どちらもカードテクニックの基本中の基本ですが、とくにカードマジックでのシャッフルは、カッコいいパフォーマンスを演出するのに必須条件です。
今回は、世界で最もよく使われている「オーバーハンドシャッフル」について詳しく解説していきます。
ぜひこの記事の情報を参考に、スタイリッシュなシャッフルに挑戦してみてください!
目次
覚えておきたいトランプ用語
オーバーハンドシャッフルを習得するにあたって、まずは覚えておきたいトランプ用語やトランプの各部分の名称を解説していきます。
- カード
トランプのこと。日本ではトランプと呼んでいますが、海外ではカード、もしくはプレイングカードと呼ばれています。 - デック(デッキ)
1組のトランプのこと。通常は52枚揃ったものを指します。 - スート
スペード・ハート・ダイヤ・クラブの4つのマークのことです。 - トップ
デックを裏向きにしたとき、一番上になっているカードのことです。 - ボトム
デックを裏向きにしたとき、一番下になっているカードのことです。 - パケット
デックをいくつかに分けた束のことです。 - カードケース
デックを入れる箱のことです。 - フェイス
数字やマークが印刷されている面(表)のことです。 - バック
模様がある面(裏)のことです。 - インデックス
フェイスに印刷された小さな数字とスートのことです。 - コーナー
カードの角の部分です。右上コーナー、左下コーナーなどと呼びます。 - サイド
カードの長い辺を指します。 - エンド
カードの短い辺を指します。
マジシャンもよく使うオーバーハンドシャッフル
オーバーハンドシャッフルは日本ではあまり馴染みがありませんが、海外では最も親しまれているシャッフル方法です。
世界中のマジシャンもよく使っているオーバーハンドシャッフルのやり方を解説していきます。
オーバーハンドシャッフルのやり方
やり方
- カードを横向きにし、右手の親指で下エンド、中指で上エンドを持ち、人差し指でサイドを支えます。
- カードを斜めに傾け、左手の親指をトップカードに当てます。
- そのまま右手を上に引いていくと、左手の親指を当てていたカードが数枚左手に落ちていくはずです。
- 次に、右手に残ったカードを、左手にある抜きとったカードの上に持っていき、再び左手親指の指をトップカードに当てて数枚抜きとっていきます。
- 右手のカードがなくなるまで繰り返しましょう。
オーバーハンドシャッフルのコツ
オーバーハンドシャッフルのコツは、左手の親指の力加減が重要になります。
力が弱すぎるとしっかり抜きとることができません。
かといって力が強すぎるとスムーズにシャッフルできないどころか、カードがバラバラに散ってしまうことも…。
カードを保持する右手も、あまり力を入れすぎずリラックスして持つようにすると失敗しにくくなります。
最初はゆっくりとしたスピードで練習し、慣れてきたらスピードをあげてリズミカルにシャッフルしましょう。
一定のリズムで、手元を見ずにできるようになるのが理想的です。
【応用】オーバーハンドシャッフル・コントロール
オーバーハンドシャッフルコントロールとは、 オーバーハンドシャッフルを応用したカードコントロールのことです。
非常に簡単で初心者でもすぐに実践することができます。
詳しいやり方を解説していきます。
コントロール方法
トップカードをボトムへコントロールする方法です。
やり方
- オーバーハンドシャッフルをする際に、左手の親指をトップカードに置き、強めに押し当てます。
- その状態で右手を引き上げると、トップカードの1枚だけを抜きとることができます。
- そのままオーバーハンドシャッフルを続けるだけです。
すぐにでも実践できそうですね。
次にボトムカードをトップへコントロールする方法です。
やり方
- 最初は普通にオーバーハンドシャッフルでカードを混ぜていきます。
- 右手パケットが残り数枚になったとき、右手の親指をトップカードに押し付けて1枚ずつ左手にカードが落ちていくようにします。
- 繰り返していくと最後にカードが1枚残りますよね。
- それを左手のデックのトップに乗せて完了です。
シャッフルのスピードを変えないようにすることで、意図的にカード移動をしていると思わせないようにしましょう。
実演するときの注意点
オーバーハンドシャッフルコントロールを実演する際、気をつけたいのはカードを押さえる左手の親指の力加減です。
オーバーハンドシャッフルを普通に行うときよりも、力の入れ方が重要になります。
力を入れすぎるとカードが飛び出してしまうので、あまり強めに押さえる必要はありません。
ですが、確実に1枚のカードをとれるように、しっかり丁寧に押し当てるようにしましょう。
右手もオーバーハンドシャッフルを普通に行うときよりも、少し強めにグリップするようにして保持することも大切です。
また、カードコントロールをしながらのシャッフルなので難しいかもしれませんが、シャッフルを素早く行うことで、この現象をより不思議に魅せることができます。
テクニックを磨けば磨くほど、マジックのタネに気づかれにくくなるのも嬉しいポイントです。
確実にオーバーハンドシャッフルができるようになったら、できるだけスピーディーに、スムーズに行えるよう練習しましょう。
オーバーハンドシャッフルのメリット・デメリット
オーバーハンドシャッフルの「メリット」と「デメリット」は以下の通りです。
メリット
- 簡単に習得できる
- 特定のカード(キーカード)をトップやボトムなど任意の位置に移すカードコントロールがしやすい
- スムーズにできるとマジックをより上手にかっこよく魅せることができる
デメリット
- 大雑把に数枚ずつカードを混ぜていく方法のため混ざりにくい
- 手が小さいとやりにくく日本人に馴染みがないシャッフル方法
- ぎこちない手さばきだとトリックが怪しまれやすい
自分自身が演じるマジックの内容や、カードゲームのようにカードをよく混ぜる必要がある場合など、状況によりシャッフル方法もうまく使い分けるとよいでしょう。
シャッフルは手品の基礎
シャッフルには、オーバーハンドシャッフル以外にもさまざまな種類があります。
日本人にお馴染みなのは、縦にカードをきる「ヒンドゥーシャッフル(ヒンズーシャッフル)」や、テーブルにカードを置いて手でかき回して混ぜる「ウォッシュシャッフル」です。
少し難易度が高くなりますが、デックを2分割し、パケットの端同士を噛み合わせる「リフルシャッフル」や「ファローシャッフル」もおすすめです。
また、時間がかかるけどよく混ざる「ディールシャッフル」や、混ぜているように見せてまったく混ぜていない「フォールスシャッフル」という技法もあります。
さまざまなシャッフル方法を習得していれば、トランプだけでなく、ボードゲームで使われるような曲げたくないカードや、絵柄に意味があるタロットカードなど、使うカードによってシャッフル方法を選ぶこともできます。
シャッフルテクニックを身につけたら、そのテクニックを披露できるマジックがおすすめです。
専門家に習ったり、本を購入して文章や写真を見ながら覚えるという方法もありますが、もっと手軽にわかりやすくマジックのテクニックを学ぶなら、マジック動画情報サイト「Magic Movie Japan(MMJ)」がおすすめです。
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華麗なオーバーハンドシャッフルでクールにきめよう
カードマジックやカードゲームには欠かせないシャッフルですが、ただ混ぜるだけではなく、華麗なシャッフルを披露できたらそれだけでかっこよく見えますよね。
シャッフルは、ちょっとしたコツさえつかめば、誰でもすぐできるようになるものばかりです。
マジックで人気者になりたいという人は、まずはオーバーハンドシャッフルから挑戦してみてはいかかでしょうか。
この記事のまとめ
- オーバーハンドシャッフルはカードマジックでよく使われている
- オーバーハンドシャッフルはカードコントロールがしやすい
- シャッフルはマジックの基本のテクニック
- シャッフルをマスターすればマジックをかっこよく魅せることができる