カードゲームでおなじみのトランプは、マジックにもよく使われます。
トランプカードマジックにはさまざまなテクニックがあり、その技術がマジックのクオリティを左右するといっても過言ではありません。
今回は、カードマジックでよく使われるテクニックを、基本中の基本から高度な大技まで、詳しいやり方を解説していきます。
目次
効果的なミスディレクション
マジックをする際、せっかく仕掛けたトリックを見破られてしまっては、意味がないですよね。
そのため、マジックでは「ミスディレクション」というテクニックが必ず用いられます。
ミスディレクションとは、相手の注意を意図的にそらす技法で、細かく分けると以下の3種類です。
- フィジカル・ミスディレクション
動作や視線、音など無意識に反応してしまう人の感覚を利用して注意をそらします。 - タイム・ミスディレクション
時間が経つごとに曖昧になっていく人の記憶の特性を利用します。 - サイコロジカル・ミスディレクション
「こうに違いない」というような、人がもともと持っている常識や思い込みを利用して錯覚させます。
これらのミスディレクションを使うことで、より観客を惹きつけることができるため、マジックには必要不可欠なテクニックです。
交渉術や恋愛面でも使える心理学が効果的に取り入れられているので、身につけておくとあらゆるシチュエーションで活かせるでしょう。
コツをつかめば簡単なシャッフル
カードマジックやカードゲームで必ずといっていいほど使われる、シャッフル。
シャッフルが綺麗にできると、マジックの見栄えもよくなりますし、見ている人も盛り上がりますよね。
マジックでよく使われる基本のシャッフルを解説していきます。
オーバーハンドシャッフル
日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、海外では主流のシャッフルです。
オーバーハンドシャッフルのやり方
- 右手の親指と中指でデック(1組のカード)の短い幅の部分を持ち、右手を上下に動かしながら、左手の親指でカードを抜きとっていきます。
- これを繰り返して右手からカードがなくなったら終了です。
オーバーハンドシャッフルがスムーズにできるようになると、トップカードをボトムに持ってきたり、ボトムカードをトップに持ってきたりと、選んだカードやキーカードを好きな位置へ移動させる「カードコントロール」がしやすくなります。
そのため、オーバーハンドシャッフルはマジックの基本テクニックとしてよく使われているのです。
リフルシャッフル
カジノなどではおなじみのシャッフルで、マジックでもよく使われています。
リフルシャッフルのやり方
- デックを2等分し、カードの端同士をパラパラと交互に噛み合わせて、最後はひとつにまとめます。
リフルシャッフルは、テーブル上でやる方法が一番やりやすいですが、慣れてくると空中でも行えるようになります。
空中でリフルシャッフルができれば、よりマジックを華やかに披露することができますよ。
扇のように美しく広げるテクニック
マジックをする際、カードをテーブルの上に綺麗に広げることができたらカッコいいですよね。
ここでは、カードを美しく広げるテクニックを解説していきます。
スプレッド
カードをテーブルの上に置いて、扇状や直線に綺麗に広げるパフォーマンスを「スプレッド」といいます。
やり方
- デックをテーブルの左の方へ置き、カードがずれないように右手の人差し指をしっかり当て、左から右へスーッと広げていきます。
- コツは、右手の力加減です。
- 強すぎず弱すぎず、なるべく均一な力で行うようにしましょう。
滑りのよいトランプを使うと、綺麗なスプレッドを披露できます。
おすすめは、世界中で最も使われている高品質の「BICYCLE(バイスクル)」のポーカーサイズです。
固いテーブルの上ではうまく広がらないことがあるため、最初はテーブルクロスなどのやわらかい布や、マットを使用して練習しましょう。
【応用】ターンオーバー
スプレッドしたデック全体をひっくり返すテクニックを「ターンオーバー」といいます。
やり方
- スプレッドしたカードの一番左のカードのサイドを持ち上げ、右に傾けていくと、カードがまるで将棋倒しのように順番にひっくり返っていきます。
- ターンオーバーのコツは、「綺麗にスプレッドすること」と「勢い」です。
- 勢いが弱いと途中で止まってしまうことがあるので、ある程度の勢いが必要となります。
このテクニックをスムーズな流れで組み込めば、マジックをより派手に、より華麗に魅せることができるでしょう。
実際にやってみてコツをつかんでください!
カードジャグリングテクニック
マジックには時折、ジャグリングのようなテクニックが使われることがあります。
手先の器用さをアピールしたり、演技をより美しく魅せたりと、マジックのアクセントとして効果的に取り入れたい技です。
フラリッシュ
カードを用いたジャグリングのようなテクニックを「カードフラリッシュ」といいます。
カーディストリーと呼ばれることもあり、マジックはせずにこれだけを専門的に行っている人もいるほど。
フラリッシュにはさまざまな種類がありますが、片手だけでカードをカットする「ワンハンドシングルカット」がよく使われます。
そのほかにも
- カードをダイナミックに扇状に広げる「プレッシャーファン」
- 上から下へ滝のように流していく「カスケード」
- カードを指先で回転させる「ピルエット」
などが有名です。
YouTubeやInstagramなどのSNSで、世界中の人が上手なフラリッシュの技を披露しています。
動画を見ているだけでも楽しめるので、ぜひチェックしてみてくださいね!
カードをパラパラ飛ばすテクニック
フラリッシュには、カードを飛ばすテクニックもあります。
ここでは代表的なものを紹介していきます。
スプリング
カードを弾き飛ばしていくテクニックです。
やり方
- 親指でデックの下、中指、薬指の第一関節をデックのボトムカードに当て、人差し指、小指は軽く添えた状態でデックを持つ。
- 親指、中指、薬指でデックをドーム型にするように内側にぐっと曲げる 。
- 親指で弾くとカードがパラパラと飛び出す 。
まずは近い距離で綺麗に飛ばすところから練習し、カードを飛ばす感覚に慣れたら、徐々に距離を伸ばしていきましょう。
このスプリングのテクニックを応用して、ブーメランのように戻ってくる「ブーメランカード」や、カードが体を周りを回る「土星カード」などのインパクトのある技も披露することができるようになります。
トップショット
一番上のカード(トップカード)を飛ばすテクニックです。
やり方
- 左手の親指と人差し指でデックのサイドを持つ。
- 小指でデックの右下を押さえ、ぐっと引っ張るように力を入れる。
- 同じように親指も力を入れ、カードが対角線上に内側に曲がるようにする。
- 小指でトップカードを下方向に弾くとシュッと飛んでいく。
小指で弾くとき、親指と人差し指でデックを上に押し上げるようにするのがポイントです。
新しいカードを使うと必要以上に滑りやすく、逆に古過ぎるカードは全く滑らず飛ばないということがあります。
新しすぎず古すぎず、ほどよい状態のカードが理想です。
練習をかさねてテクニックを磨こう
カードマジックには、マジックを美しくカッコよくみせるためのテクニックが多くあります。
これらのテクニックは、練習をかさねれば誰でも習得することができるものばかりです。
自分でもマジックを極めたい!という人におすすめなのが、マジックのさまざまな情報を発信しているマジック動画サイト「Magic Movie Japan(MMJ)」です。
プロのマジシャンによるマジックの実演動画だけでなく、種明かし動画も多く配信されています。
ジャンルや難易度別になっているため、これからマジックをはじめたいという人にもわかりやすく、楽しみながらマジックの技術を習得することができるでしょう。
テクニック次第でプロのようなトランプマジックが可能
観客を魅了するトランプマジックの披露にあたって、テクニック磨きは欠かせません。
カードの扱い方が下手だと、いくらトリックがしっかりしていてもマジックのクオリティは下がってしまいますよね。
華やかなカードさばきができれば、それだけでマジックは大いに盛り上がります。
テクニック次第で、あなたもプロのマジシャンのようなマジックができるようになりますので、ぜひ練習してカード捌きの腕を磨きましょう。
この記事のまとめ
- トランプマジックにはマジックをより華麗に魅せるテクニックがたくさんある
- 習得が必須な基本のテクニックもある
- ジャグリング要素のあるテクニックは華やかさをプラスできる
- 手品・マジックのテクニックは練習すれば誰でもできる