マジックには、カードやコップ、コインなどさまざまなアイテムを利用したものが存在します。
そのなかで、コインを使った【マッスルパス】というマジック技法をご存知ですか?
マッスルパスとは、重力を無視してコインを遠くに飛ばすテクニックのことです。
自然の摂理に反するマッスルパスは、観客の目を釘付けにすること間違いありません。
そこでこの記事では、マッスルパスのやり方と応用についてご紹介します。
目次
マッスルパスとは?
マッスルパスとは、指の筋肉を使ってコインを遠くに飛ばすテクニックです。
手を上下の位置関係でセット。
上の手にあるコインを落とすと、重力によってコインは下にある手に落ちます。
ここまでは普通のこと。
しかし、下の手からはなれたコインも、重力に反して下から上へ吸い上げられるのです。
もちろん、力任せに下からコインを投げているわけでもありません。
下の手はまったく動いていません。
ですので、本当に重力に反してコインが下から上へ吸い上げられているように見えるのです。
しかし、これはトリックではありません。
下にある手にコインを仕込み、指の筋肉を使って上の手に向かってコインをはじき出しているテクニックなのです。
手の筋肉が必要なうえに練習時間と努力も必要なので、習得するのは簡単なことではなく、早い人でも2週間かかるといわれています。
マッスルパスは手のひらの厚さも影響するため、練習しても一向にできない人もいるほどです。
マッスルパスの応用マジック
マッスルパスを使ったマジックはどんなものがあるのでしょうか。
ここでは、マッスルパスを応用した代表的なマジックをご紹介します。
左右どちらにコインが入っているか?マジック
マッスルパスの応用編として、左右のどちらにコインが入っているかを観客に当てさせるマジックがあります。
マッスルパスのスキルを駆使すれば、コインを左右に飛ばして観客の目を欺くことが可能。
上下にコインを移動するよりは重力がかかりにくいので、マッスルパス初心者にもおすすめです。
まずは左右でマッスルパスができるようになることを目標に練習しましょう。
マッスルパスを駆使して自由自在に左右の手にコインの移動ができるようになったら、重力に反した上下のマッスルパスに挑戦するのもいいかもしれません。
マッスルパスのやり方
マッスルパスのやり方をご紹介します。
すぐにはできないかもしれませんが、根気よく練習を続けてみてください。
100円?500円?コインの選び方
まずはコイン選びです。
日本の硬貨は6種類ありますが、最もマッスルパスに向いているのは重さのある500円玉です。
500円玉でマッスルパスができるようになれば、硬貨を変えるのもおすすめ。
さまざまな種類の硬貨でマッスルパスができるようになれば、マジック用のコインでも簡単にマッスルパスを行うことができます。
まずは500円玉で練習しましょう。
練習方法
親指と人差し指のつなぎ目部分である「母指球」に500円玉をセットしましょう。
そして、反対の手の指で500円玉を押さえつけていきます。
親指以外の4本の指を伸ばすように力を入れて、ピンっと手のひらが張るように伸ばしましょう。
親指は軽く折り曲げて4本の指と同じ方向に力を入れて伸ばすと母指球が厚くなっていき、コインにプレッシャーがかかっていきます。
プレッシャーがかかった状態でコインを押さえつけていた指を離すと、コインがパタンと倒れるはずです。
これがマッスルパスの仕組みになります。
コインの動きが小さくてマッスルパスのように見ないですが、この動きを大きくするよう練習すると、重力を無視したマッスルパスができるようになるのです。
コインの動きが大きくなるように、何度も練習していきましょう。
マッスルパスのコツ
マッスルパスをマスターするには、相当な練習が必要ですが、コツを覚えてしまえば効率的にマッスルパスをマスターできるはずです。
ここでは、マッスルパスのコツをご紹介します。
手を温める
マッスルパスは手の筋肉を使ってコインを飛ばすので、手が動きにくいと成功率は下がってしまいます。
寒い日に手がかじかんだ経験のある方も多いかと思いますが、手が冷えていると筋肉の動きが悪くなってしまうのです。
そのため、マッスルパスを練習する前に手を温めましょう。
お湯に3分ほど手をつけてゆっくりと手の筋肉を温めると効果的です。
冬場に練習するときはお湯につける時間を長くしましょう。
肌も滑りやすくなるため成功率は格段に上がります。
飛距離を出すには
ある程度マッスルパスができるようになってくると、飛距離をもっと出したくなりますよね。
飛距離を出すには、いつも使っているコインよりも重いコインで練習すると効果的でしょう。
500円玉を使用していたなら、マジックショップで500円玉より重いタングステンで作られているコインを使用するのがおすすめです。
そのようなコインが手に入らない場合は、500円玉を2枚を接着剤で貼りつけたものを用意してください。
そして、500円玉2枚でも軽く感じるようになったら、もう1枚追加。
3枚の500円玉をマッスルパスできるようになれば、かなりの飛距離が出せるようになっているはずです。
また、輪ゴムを使用して手の筋肉を鍛えていくのも効果的。
5本の指で輪ゴムを広げるような動きを繰り返すことで、指の力を鍛えることができます。
手が空いているときには、輪ゴムを使用して手の筋トレを行いましょう。
世界記録は120cm!
20cm程度飛ばすことができるようになれば、マジックにマッスルパスを用いることができます。
しかし、世界記録はそんなものではありません。
マッスルパスの世界記録は、なんと120cmです。
この飛距離を飛ばすことができれば、世界でも十分に通用するマジシャンになれるといっても過言ではありません。
基礎をマスターすれば、応用さまざま
マッスルパスをマスターすれば、ほかのマジックにも応用可能です。
マジシャンとしてのステージを一段上げることができるのです。
ぜひマッスルパスをマスターしましょう。
マッスルパスのやり方はよくわからないというコインマジック初心者の方は、動画サイトでやり方を理解するのがおすすめです。
マジック動画サイト「MMJ」では、コインマジックだけでなく指輪マジックやトランプマジックの手法などのマジック全般が解説されています。
さまざまなマジックDVDが販売されていますが、MMJは種明かしまでわかりやすく説明してくれるのでおすすめです。
傑作マジック満載の動画を見ながら毎日練習しましょう。
マッスルパスを習得したらコインマジックの幅が広がる!
マジックは、種さえ理解すれば簡単にマスターできるものが多くあります。
しかし、マッスルパスはそう簡単にマスターすることはできません。
マッスルパスは努力が必要ですが、マスターすれば確実にコインテクニックは向上しているはずです。
まずはコインが動く程度の小さな動きができれば十分です。
はじめから数十cmも飛ばせる人はいません。
四六時中コインを握りしめてひたすら練習を繰り返し、徐々に飛ばせる距離を増やしていきましょう。
この記事のまとめ
- マッスルパスは重力を無視してコインを飛ばすテクニック
- マッスルパスはあらゆるマジックで応用可能
- マスターできればマジシャンとしてのスキルが一気に上がる
- 手を温めたほうがコインの飛びが良い
- 徐々にコインの重さを増やして鍛錬しよう