トランプは、世界中で最も親しまれているカードゲームとして知られています。
ゲームだけでなく、占い、マジックなどにもよく使われており、大人数でも少人数でも楽しむことができるため、どこの家にも必ずあるアイテムといっても過言ではないでしょう。
しかし、トランプで遊ぶことはあっても、トランプに描かれたマークや絵柄の意味を考えたことがあるという人は少ないのではないでしょうか。
トランプにはスペード、ハート、ダイヤ、クラブ(クローバー)といった4種類のマーク(スート)や、人物が描かれた絵札が特徴的ですが、実はそれぞれ意味があります。
この記事では、知られざるトランプに隠された意味について、解説していきます。
自分だけで楽しむもよし、雑学として披露するもよしです!
目次
トランプはいつからある?
トランプは、いつ頃誕生し、どのように世界中に広まっていったのでしょうか。
また、日本にはいつ頃伝わってきたのでしょうか。
トランプは欧米では「プレイング・カード」といわれていますが、なぜ日本では「トランプ」と呼ばれるのでしょうか。
トランプの歴史を詳しく見てみましょう。
トランプの歴史
トランプの歴史は1,000年以上あるといわれていますが、その起源についてははっきりとはわかっておらず、古代エジプトが起源という説と、中国が起源という説があります。
歴史上に最初にトランプが登場したのは、14世紀後半のヨーロッパで、トランプの原型となるカードゲームが広く楽しまれました。
15世紀後半には、フランスでスペード、ハート、ダイヤ、クラブのマークのトランプが作られました。
日本でのトランプは、室町時代の末期にポルトガルから伝えられたとされています。
ポルトガル語でトランプは「カルタ」と呼ばれ、このカルタが和製カルタである「天正カルタ」に発展し、広まっていきました。
現在使われているトランプは、明治初期に外国から入ってきた英米式のタイプで、新しいゲームとして日本中で楽しまれるようになりました。
この頃に、日本では「トランプ」という名前で呼ばれるようになったようです。
トランプはもともと、英語で「切り札」という意味があります。
外国人がゲーム中に「トランプ(切り札)」という言葉をよく使っていたため、それを聞いていた日本人がこのゲームの名前が「トランプ」というのだと勘違いし、そのまま定着したことが由来といわれています。
日本では、カードゲームをトランプと呼ぶだけでなく、カード自体についてもトランプと呼ぶようになりました。
4種類の意味
トランプには、スペード、ハート、ダイヤ、クラブの4種類のマークがあります。
このマークにもさまざまな意味があることをご存知でしたか?
これらのマークは、中世ヨーロッパの身分制度を表しているといわれています。
マークには強さに順番があり、 スペード>ハート>ダイヤ>クラブの順になります。
そしてそれぞれ、「キング」「クイーン」「ジャック」の3種類の絵札があります。
これらには伝説上の人物や、歴史上の人物がモデルになって描かれているのです。
フランス革命の頃には王や女王ではなく、革命家が描かれたカードが登場したそうですが、王政復古後には、現在の絵札の柄に定着しました。
それぞれのマークが持つ意味と、絵札のモデルについて解説していきます。
※モデルに関しては諸説あります。
スペード
最も強いカードであり、貴族階級(軍隊)を意味しています。
戦いに使う「剣」がモチーフとなっているようです。
また、戦いや軍隊という由来から「死」の意味も持っています。
- スペードのキングは、旧約聖書に登場する古代イスラエルの王「ダビデ王」
- スペードのクイーンは、ギリシャ神話の戦いの女神である「アテナ」
- スペードのジャックは、カール大帝の騎士「オジェ・ル・ダノワ」
が、それぞれモデルになっています。
ハート
2番目に強いカードであり、僧侶を意味しています。
僧侶が使う「聖杯」がモチーフとなっており、また心臓に似ている形であることから、愛情を象徴しています。
- ハートのキングは、フランク王国の国王「カール大帝」
- ハートのクイーンは、ユダヤの女戦士「ユディト」
- ハートのジャックは、ジャンヌ・ダルクの戦友「ラ・イル」
がそれぞれモデルになっています。
ダイヤ
3番目に強いカードであり、商人を意味しています。
商売に使う「貨幣」がモチーフとなっており、高価なもの、価値のあるもの、財産やお金を象徴しています。
- ダイヤのキングは、古代ローマ帝国の皇帝「ジュリアス・シーザー」
- ダイヤのクイーンは、旧約聖書に登場するヤコブの妻「ラケル」
- ダイヤのジャックは、トロイの王子「ヘクトル」
がそれぞれモデルになっています。
クラブ
1番弱いカードであり、農民を意味しています。
農耕に使う「棍棒」がモチーフとなっており、平和や、知恵を象徴しているといわれているのです。
- クラブのキングは、マケドニア国王である「アレキサンダー大王」
- クラブのクイーンは、シャルル7世の妻アンジュー公女マリーまたは愛人のアニュ・ソレルをモデルとした「アルジーヌ」
- クラブのジャックは、アーサー王に仕えた円卓の騎士の1人「ランスロット」
がそれぞれモデルになっています。
どうしてトランプは52枚?
トランプは4種類のマークに、それぞれ1~13までの数字のカードがあり、合計52枚で構成されています。
なぜ13枚という中途半端な枚数なのでしょうか。
カードの持つ意味を詳しく解説していきます。
どうして4種類?
トランプの4種類のマークは、春夏秋冬の四季を表しているといわれています。スペードが冬、ハートが秋、ダイヤが夏、クラブが春といった意味です。
ちなみに、カードには赤と黒の2色がありますが、赤のマークは日の出から日の入りまでの昼間、黒のマークは日の入りから日の出までの夜を表しています。
どうして13枚?
トランプはマークごとに1~13までの数字のカードがあります。
この13枚のカードは1つの季節の13週を表しており、4つの季節を足すと52週間(52枚)ということになります。
さらに、1から13までのすべての数字を足していくと91になります。
1つの季節が91日で、季節は4つあることから、合計は364日となり、そこにジョーカーを足すことで365日になります。
つまり、トランプは1年を365日とする太陽暦に基づいて作られているということがわかります。
そして、エキストラジョーカー(予備のジョーカー)は、4年に一度ある”うるう年”を表しているというのですから、非常に奥深いですね。
トランプはゲーム、マジックに欠かせない
トランプは、ババ抜き、7並べ、大富豪、神経衰弱、ポーカーなど、小さい子どもからお年寄りまで誰もが知っている定番のゲームが多く、ゲームルールもさまざまでしょう。
参加人数問わず、家族や友達と楽しく遊ぶ場には欠かせないおすすめアイテムです。
プレイヤーとして楽しむことができるトランプは、マジックでも定番中の定番のアイテムとしてよく使われます。
トランプを使ったカードマジックの種類の豊富さはマジックアイテムの中ではナンバーワンでしょう。
誰でも簡単にできるものも多いので、マジック初心者の人はまず、トランプを使った基本的なカードマジックから挑戦してみてはいかかでしょうか。
マジックの情報サイトである「マジックムービージャパン」では、初心者向けのカードマジックの実演動画を多数掲載しています。
プロのマジシャンによる丁寧な解説により、誰でもマジックのテクニックを習得することができます。
トランプは奥が深い
普段遊んでいるときは気に留めることもない、トランプの枚数やマーク、絵柄などには、それぞれ深い意味が込められています。
知れば知るほど、トランプにはとても奥深い世界があることがよくわかります。
その意味や歴史を知っていくと、トランプがなぜこれほどまでに世界中で愛されているのかわかるような気がしますね。
次回トランプで遊ぶ機会があったら、ぜひカードの持つ意味を思い出してみてください。
今までとは違った目線でトランプを楽しむことができるではないでしょうか。
この記事のまとめ
- トランプと呼ぶのは日本だけ
- トランプの枚数は1年を表している
- トランプのマークには意味がある
- トランプの絵柄にはモデルがいる