「すべての超常現象は科学的に再現できる」を信条に掲げるメンタリストDaiGo。
メンタリストとは、現代においては読心術やテレパシーといったメンタルマジックを行うパフォーマーのことを指す言葉です。
読心術やテレパシーなんてフィクションだ、超能力の御伽噺だとお考えの方もいるでしょう。
しかし、メンタリストDaiGoさんは多くのメディアに露出し、さまざまな人の心理を読み取り操ることで、超常現象を科学的に再現してきたパフォーマーのひとりです。
なかでも有名なのが、彼の得意技である「フォーク曲げ」。
これは人が超能力だと錯覚に陥るパフォーマンスのひとつです。
今回は、日本におけるメンタリストの第一人者・DaiGoさんのメンタリズム・パフォーマンスから、いかに人の心を惹きつけるか、そして「フォーク曲げ」のやり方についても解説していきましょう。
異性の前で「フォーク曲げ」を超常現象のように披露したら、注目を集めることができ、モテるきっかけになるかもしれません。
目次
メンタリスト「DaiGo」
メンタリスト「DaiGo」の情報をまとめていきましょう。
彼の肩書きはパフォーマーに限らず、会社顧問、大学特任教授、ビジネスアドバイザー、作家、講演家など多岐に渡ります。
テレビでホリエモンこと堀江貴文さんと対決した「心理戦ババ抜き」で、圧倒的勝利をおさめたことでも有名なDaiGoさん。
YouTubeやニコニコ動画という動画投稿サイトにチャンネルを持っていたり、自身でメンタリズムに関連したブログを書いていたりするため、そちらで知っているという人も多いのではないでしょうか。
さまざまな媒体から発信を行っているDaiGoさんは、自身をマジシャンではなく「メンタリスト」と称しています。
それは彼のパフォーマンスがテクニックによるものだけでなく、心理学をはじめとする学問を駆使して観客の視線や感情、ときに思考をも操る”メンタル(精神)”に働きかけるものだからです。
では、メンタルに働きかけるパフォーマンスとは具体的にどのようなものなのか、メンタリストのパフォーマンス「メンタリズム」を紐解いていきましょう。
メンタリズムとは
メンタリズムとは、もともと哲学用語や心理学用語で精神主義、唯心論、心理主義といった意味を指す言葉でした。
それを語源として、心理の意表を突き観客を沸かせるパフォーマンスのことをメンタリズムと呼ぶようになったのです。
読心術はメンタリズムの代表といえるパフォーマンス。
不思議な能力によるものではなく、心理学に裏付けされた知識と技術の結晶がメンタリズムといえます。
さらにDaiGoさんは、心理学に加えて運動力学や催眠療法など複数の知識・技術を組み合わせた独自のメンタリズムを築き上げており、その手腕はまさに人の心を操っているかのように感じさせます。
あまりの見事さに、やらせではないかと疑われてしまうほどの高い能力を持っていますが、その力は本物でしょう。
DaiGoのフォーク曲げ
DaiGoさんお得意のパフォーマンスに「フォーク曲げ」があります。
スプーン曲げやフォーク曲げといえば、”超能力者”であるユリ・ゲラーがパフォーマンスを行ったことで有名ですよね。
かつて日本に訪れたオカルトブームの火付け役ともいわれているこの技ですが、残念ながらタネもしかけもあるマジックのひとつです。
しかし、DaiGoさんが見せるパフォーマンスはただのマジックではなく、観客の心理を操る技術を織り込むメンタリズムのひとつとして「フォーク曲げ」を披露します。
DaiGoさんがフォークを手のひらにのせて、その上に反対の手をそっとかざすと、フォークは勝手にぐにゃりと曲がってしまいます。
それだけではなく、ふっと息を吹きかけるだけで、曲がっていたフォークが夢か幻であったように元に戻っていたり…。
動きの鮮やかさと相まって、その技はまるで魔法のようです。
DaiGoさんは、フォーク曲げに限らずパフォーマンスを見せるときに言い添えるのが「必ず理屈がある」という一言。
これは魔法でも超能力でもないれっきとした理屈、つまりタネのある技術なのだと、何度も繰り返します。
彼の信条である「すべての超常現象は化学で再現できる」。
この言葉は、超能力を否定するものではありません。
超常現象とは、科学的に”再現”できるものであると明言しているのです。
そして科学で再現できる技術は、その内容を知ることで私たちも習得することができます。
それでは、そんなDaiGoさんの「フォーク曲げ」から、そのメンタリズムを解明していきましょう。
DaiGoのフォーク曲げ解説
何度もいうように、DaiGoさんのフォーク曲げはマジックでも超能力でもありません。
使用するフォークに切れ目を入れるなどの仕掛けもなく、実際は手の力で曲げています。
ではどうして観客の目の前で、DaiGoさんがあたかも手を触れずに曲げたように見えるのか。
それを可能にするのが心理学、物理学、力学それに話術を組み合わせたメンタリズムというわけです。
さっそくDaiGoさんが行う「フォーク曲げ」のパフォーマンスの手順を解説します。
マジックでも超能力でもない、科学で行う「フォーク曲げ」を、メンタリストDaiGoさんの視点から理解していきましょう。
フォーク曲げの手順
フォーク曲げに用いる技術は主に2つ。
- テコの原理を利用してフォークを素早く曲げる技術
- 曲がっていないものを曲がっているように、曲がっているものを曲がっていないように見せる目の錯覚を利用する技術
です。
テコの原理
フォークの首の部分を持って、先端に指を添えるだけで曲がっていくように見えるパフォーマンスは、テコの原理を利用した基本的なトリックです。
気功でも魔法でもありません。
テコの原理とは「支点・力点・作用点」の3点を使うことによって、少ない力で重いものを動かすための仕組みのことです。
フォーク曲げの場合は、曲がる箇所が作用点、フォークの先端が力点、フォークの柄の一番端が支点になります。
やり方は以下のとおりです
- 親指をフォークの首の裏側に、小指を柄の一番端に置くようにして握る
- 反対の手でフォークの先端を掴む
- 息を「フッ」と吐きながら、背中と肩の筋肉を使ってフォークの頭を後ろに引っ張るように曲げる
両腕を真っ直ぐに伸ばし、引っ張るようにしてフォークの頭を後ろに倒すと同時に、手首のスナップで親指を前に出すと、軽い力でフォークの首がぐにゃりと曲がります。
これは背中や肩の大きな筋肉が使われるためで、指先で倒すよりもずっと強い力が加わっているからです。
さらに確実に成功させるために、フォークを曲げる瞬間鋭く「フッ」っと息を吐きます。
意識して行うことで、息を吐くために体の筋肉が動いて力を出しやすくなるのです。
実際にこのテコの原理を使ってフォーク曲げに挑戦してみましょう。
目の錯覚
まずはこちらをご覧ください。
上と下の線、どちらが長く見えますか?
上の線のほうが長く見えますよね。
しかし、実際はまったく同じ長さです。
このように人の目、そして脳というのは意外と簡単に騙されてしまいます。
そこで、目の錯覚を利用したシンプルなメンタリズムで、手のひらに置いたフォークが勝手に曲がるというパフォーマンスがあります。
※フォークがはじめから曲げられているというトリックです。
- あらかじめ、テコの原理を利用してフォークを曲げておく
- フォークのカーブにあわせて少し手のひらを曲げ、その上にフォークを置く
※このとき、観客に見えやすいように指先を下にして手のひらを正面から見せる - 手のひらを反らしながら、下向きにしていた手を水平にしていく
曲がったフォークに沿っていた手のひらがまっすぐになることで、相対的にフォークのカーブが強調され、まるで勝手にフォークが曲がっていったかのように映るというしかけです。
フォーク曲げの魅せ方
種明かしをしてしまえば実にシンプルなトリックですが、それを悟らせないようにするのがパフォーマーの腕の見せどころ。
DaiGoさんはこのトリックをあえて観客の目の前で行うことで、
- 「なにかしかけを行うなら隠れてやるはずだ」
- 「もしも目の前で行われていたなら気付かないはずがない」
と考える心理を逆手に取り、目の前でわかりやすく曲げられているのに気付くことができません。
タネやしかけに気付かせないというのがマジックを成立させる必須条件ですが、メンタリズムは通常のマジックにはない「心理操作」ともなる話術やパフォーマンスによってそれを行います。
たとえばフォーク曲げを行っているとき、DaiGoさんはしきりにフォークを動かします。
観客はこれを「自分たちにちゃんと見せているのだ」と捉えますが、実際には一箇所に留まらせないことで変化を悟らせないようにしています。
手に持っている時点で、すでにテコの原理を利用してフォークは曲がっているわけです。
DaiGoさんは、トークでもそのメンタリズムを発揮します。
「これには理屈があります」と言うと、観客は「ならそれを見破ってやろう」と考えますよね。
そのため、フォークや手など特定の場所に目がいってしまい、全体像を見れば違和感を覚えるところを見落としてしまうのです。
この方法はマジック・メンタリズムに限らず、相手に自分のことを印象付けるのに非常に役立ちます。
少しの練習ですぐに使える初心者向けの技なので、イベントや宴会の席などでも披露することができます。
ただし、会場のフォークを使うと怒られてしまうので、自前のフォークで行いましょう。
フォーク曲げに適したフォークの選び方
原理がわかったところで、フォーク曲げをやったことのない人がそう簡単にひょいひょい曲げられるかといえば、実のところそうともいえません。
なぜなら、プロのパフォーマーでも曲げられない材質のフォークが存在するからです。
そのためフォーク曲げ成功のためには、材質にこだわり”曲げやすいフォーク”を選ぶようにしましょう。
フォーク曲げに向いているフォークのポイントは以下の3つです。
- 固い材質よりも柔らかい材質
- 分厚い作りよりも薄い作り
- 一点物のカトラリーよりも大量生産品
そして一番おすすめなのは、100円ショップで売っているフォーク。
一般的に薄く伸ばした金属をパンチでくり抜くように加工して作られているため、材質が柔らかいアルミを用いることが多く、2~3本まとめて100円とリーズナブルでお財布にも優しい商品です。
練習に使うのも気兼ねしませんし、観客となる人たちの目の前で購入してフォーク曲げを披露すれば、大盛り上がり間違いなしでしょう。
また、フォーク曲げにもっとも適した素材に「ガリウム」という金属があります。
ガリウムは一見ステンレスのように固く見えますが、実は29.8度という低い温度で溶けはじめる柔らかい金属です。
指でこするなどの摩擦熱でも柔らかくなるので、力の弱い子どもでも扱える手品グッズとして娯楽用に作られています。
実用品としてはあまり使えませんが、マジックだけでなくドッキリにも応用できるので、余興品として持っていて損はないアイテムです。
他にもある?身近なものを使ったマジック
フォーク曲げのように、身近にあるアイテムを使ったマジックは他にもあります。
硬貨1枚で行える「コインマジック」やオフィスやお酒の席でも披露できる「ペンマジック」、場所を選ばない「ハンカチマジック」は、気になる相手と親しくなるのにも使える手です。
飲み会や誕生日会でも披露もウケること間違いなし!
身近なアイテムで実践できるマジックを、いくつかご紹介しましょう。
コインマジック
宴会芸のひとつとして活躍することも多々ある、硬貨を使ったマジック。
硬貨1枚でできるコインマジックは、「手のひらを貫通するコイン」「一瞬でなくなるコイン」などさまざまな種類があります。
「手のひらを貫通するコイン」は、握ったはずのコインが手を振るだけで手の甲に出現する、というマジックです。
手のひらから手の甲へ瞬時に移動するので、瞬時に移動するコインが目に見えず、まるでコインが手を貫通したように見えるマジックです。
「一瞬でなくなるコイン」は、コインをこするといつの間にか消えているというマジック。
コイン以外にも手の中に隠れるサイズの平たい小物、たとえばイヤリングのパーツなどで応用ができますが、演出上テーブルの上で物をこするので、アイテムにもテーブルにも傷がつくおそれがあります。
実際に行うときにはハンカチなどでテーブルをカバーしたほうがいいでしょう。
ペンマジック
ビジネススーツのまま送歓迎会に参加して、ふと胸ポケットから取り出したペンでマジックができたら一躍注目の的ですね。
「消えるペン」もコインと同様、ペン1本で行うことのできるマジックです。
両手で端を持ったペンが消えるという単純な現象ですが、消えたり出したりを素早く切り替えることで、タネを勘繰る暇を与えずに驚かせることができます。
あまり派手な演目ではないので余興の一番最初に出したり、またマジックとマジックの間、箸休めのような位置に挟めば、観客たちの頭の切り替えにもなるでしょう。
ハンカチマジック
ハンカチは、男女問わず身だしなみとして所持している人が多いアイテムです。
席にいるどなたかのハンカチを借り受けてマジックを披露すれば、「自分のハンカチがマジックに使われた」という興奮を提供できますよ。
それをきっかけに気になる相手と話が弾むなんてことも!
「物が出てくるハンカチ」は、プロのマジシャンたちも広く用いる王道マジックです。
ハンカチの中からフォークを出してみたり、ペンを出してみたり、コインを取り出したりして次のマジックへと繋げる橋のような役割に使うのも楽しんでもらえるでしょう。
本格的なマジックは人びとを魅了する
マジックというのは、テクニックはもちろん演技力やトーク力が試されます。
しかけを見破らせないアクション、会話に集中させ相手の呼吸をずらすテンポ。
手法は違えど、マジック・メンタリズムともにタネから意識を逸らさせることが、結果アッと驚くパフォーマンスに繋がります。
DaiGoさんのフォーク曲げも、しかけらしいしかけはフォークの材質を確かめておくことくらいで、あとは練習すれば誰でもできる簡単な技です。
しかしそこに彼のメンタリズムが加わることで、まるでフォークに柔らかくなる魔法でもかかっているかのような不思議な体験が生まれます。
また「Magic Movie Japan(MMJ)」というサイトには、プロマジシャンがその実力を存分に見せてくれる動画がたくさん公開されています。
なかにはコインやハンカチを使った、タネを知れば私たちでも行えるマジックもありますが、どれもプロのマジシャンの手にかかればまるで魔法のように見えてしまいます。
行っていることがシンプルであったとしても、それを悟らせず楽しいひとときを提供してくれるのが本格的なマジックというものであり、だからこそマジックは人びとを魅了するのです。
マジックに興味が湧いたら、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
テコの原理と目の錯覚がフォーク曲げの真髄
フォーク曲げに必要なのは、フォークを曲げる「テコの原理」と、曲げたフォークを曲げていないように見せるための「目の錯覚」というたった2つの技術です。
しかしそれを観客に悟らせないために、メンタリストやマジシャンはさまざまな趣向を凝らしてパフォーマンスを行います。
それは決してごまかしではなく、お客さんにより楽しんでもらいたいというエンターテイナーの心がさせるものです。
相手を喜ばせたいと思う気持ちは、必ずその人に伝わります。
真剣に楽しさを提供する。
これこそが、人の心を惹きつけるDaiGoさんの中にある隠れたメンタリズムなのかもしれません。
この記事のまとめ
- メンタリズムとは、心理の隙をつくパフォーマンス
- フォーク曲げはテコの原理と目の錯覚で誰でもできる
- マジックもメンタリズムも、誰かを楽しませるための技術
- フォーク曲げをスマートに披露できたらモテること間違いなし!