トランプカードは、手品やゲーム、占いなどに使用され、室内で遊べる玩具として子供から大人まで世界中の人に親しまれています。
トランプには”スート”と呼ばれる4種類のマークが存在します。
- スペードマーク
- ハートマーク
- クラブマーク
- ダイヤマーク
そして、13の数字があるということは、多くの人が当たり前のように知っていますよね。
しかし、そのマークや数字がもつ意味をご存知の方は少ないでしょう。
今回の記事では、もっとトランプゲームを楽しむために、トランプに隠された意味について詳しく紹介していきます。
目次
そもそもトランプとは
トランプとは、室内ゲームに使われるカードのことです。
トランプのもっともポピュラーな商品である「バイスクル」を販売してるカード社は、U.Sプレイング・カード社といい、プロのマジシャンでは知らない人はいないでしょう。
まずトランプの基本として知っておきたい情報は、その枚数にあります。
スペード、ハート、ダイヤ、クラブの各13枚とジョーカー1枚の計53枚のカードが1組です。
代表的な用途は、ババ抜きや七並べ、神経衰弱、ポーカー、大貧民などの多くのゲームや、占い、手品など幅広く使用できます。
また、トランプの起源は諸説ありますが、古代エジプトであるという説や、中国であるという説があり、現在は中国起源説が有力とされています。
ちなみにいま使用されているトランプは、中世のヨーロッパで作られたものが由来とされ、現在のスペード、ハート、ダイヤ、クラブのマークが描かれたカードは15世紀頃にフランスで作られるようになり、16世紀頃にポルトガル人から日本に伝わったといわれています。
伝わりはじめた当時は48枚を1組とし、「カルタ」と呼ばれていました。
現在日本で使われているトランプは、明治初期に欧米人から持ち込まれたものです。
いままでにない新しいゲームとして大流行し、日本中で広く楽しまれるようになりました。
「トランプ」という名称で呼ばれるようになったのもこの頃からです。
トランプと呼ぶのは日本だけって知ってた?
実は「トランプ」という言葉は、海外では「プレイングカード」または「カード」と呼ばれており、「トランプ」という呼び方は日本特有のものです。
日本ではカードのことだけでなく、トランプでゲームをすることもトランプと呼ぶことがあります。
トランプは本来、英語で”切り札”という意味であり、最後に出す強い札のことです。
明治時代に欧米人がカードゲーム中に「トランプ(切り札)」と言っているのを聞いた日本人が、このカードやゲームは「トランプ」という名称なのだと勘違いしたことから、日本ではトランプと呼ばれるようになったといわれています。
トランプの数字・図柄(マーク)がもつ意味
日本でよく使われているトランプは、ジョーカーを除く52枚を1組として構成されています。
4つの図柄(マーク)に、それぞれに13枚のカードが存在します。
13枚のカードは、1(A・エース)、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11(J・ジャック)、12(Q・クイーン)、13(K・キング)の数字からなり、J(ジャック)、Q(クイーン)、K(キング)は絵札です。
トランプのカードには、すべてに意味があります。
その隠された意味について、ひとつずつ解説していきます。
13×4種類=52枚は時間を表す
トランプは、13枚×4種類=52枚とジョーカーの1枚で構成されていますが、ジョーカーを抜いた52枚という数字は、1年が52週であることを意味します。
そして52枚の数を合計すると364、これにジョーカーを足すと365になります。
つまり、トランプのカードは太陽暦の1年を意味しているのです。
さらに予備であるもう1枚のジョーカーを足すと366となり、これは閏年を表しているのだとか。
また、赤いマークのカードは日の出から日の入りまでの昼、黒いマークのカードは日の入りから日の出までの夜と、2色の色も時間を表しています。
絵柄にはモデルがいる
トランプのK(キング)、Q(クイーン)、J(ジャック)には絵柄が描かれていますが、それぞれモデルになった人物がいるといわれています。
とくにK(キング)の絵柄は、ヨーロッパ文明の基礎となった4つの文明国「ヘブライ」、「神聖ローマ帝国」、「ギリシャ」、「古代ローマ帝国」を表しており、歴史上、伝説上の人物が描かれています。
K(キング)の絵柄
- スペード:ダビデ王(旧約聖書に登場する古代イスラエルの王)
- ハート:カール大帝 ※「シャルルマーニュ」とも呼ぶ(西ローマ帝国皇帝)
- ダイヤ:ジュリアス・シーザー(古代ローマ帝国皇帝)
- クラブ:アレキサンダー大王(マケドニア国王)
Q(クイーン)の絵柄
- スペード:パラス・アテナ(ギリシャ神話の戦いの女神)
- ハート:ユディト ※「ジュディス」とも呼ぶ(ユダヤの女戦士)
- ダイヤ:ラケル(旧約聖書のヤコブの妻)
- クラブ:アルジーヌ(女王を意味するラテン語のアナグラム)
J(ジャック)の絵柄
- スペード:オジェ・ル・ダノワ(シャルルマーニュの騎士)
- ハート:ラ・イール ※「ラハイヤ」とも呼ぶ(シャルル7世の傭兵隊長)
- ダイヤ:ヘクトール (ギリシャ神話の戦士、トロイ王国の王子)※カール大帝の12人の勇士のひとり「ローラン」という説もある
- クラブ:ランスロット(アーサー王に仕えた円卓の騎士)
図柄(マーク)のもつ意味
トランプのマークにもそれぞれ意味が存在します。
具体的には、中世の身分制度の象徴または季節を示しているとされており、詳細は次のようになります。
- スペード
スペードは「剣」を象徴し、剣から連想される「騎士」を表しています。また、「死」を意味します。季節は「冬」です。 - ハート
ハートはキリスト教の儀式で使われる「聖杯」を象徴し、「僧侶」を表しています。また、「愛情」や「情熱」を意味します。季節は「秋」です。 - ダイヤ
ダイヤは「貨幣」を象徴し、貨幣から連想される「商人」を表しています。また、「お金」を意味します。季節は「夏」です。 - クラブ
クラブは「こん棒」を象徴し、こん棒から連想される「農民」を表しています。また、「知恵」や「学問」を意味します。季節は「春」です。
また、トランプの絵札に描かれているモデルたちは、これらのマークに対する顔の向きや目線、角度が異なっています。
これは、図柄(マーク)が象徴するものに対しての関心の強さを表しています。
- 大きく真横に顔を向ける ⇒ 強い関心がある
- ほんの少し顔を向けている ⇒ 興味がある
- そっぽを向いている ⇒ 無関心・嫌悪感を抱いている
興味がある方はぜひ、ご自分の持っているトランプで確認してみましょう。
スペードのエースだけが派手なワケ
トランプのカードの中で唯一、派手に装飾されたデザインのスペードのエース。
これは、トランプに税金がかけられていた時代の名残りといわれています。
18世紀のイギリスでは、当時ギャンブルに使用されることが多かったトランプに税金がかけられていました。
イギリス政府は納税の証明として、1番上に来るカードであるスペードのエースに小さな判子を押していましたが、偽造の判子が出回るようになったため、政府が偽造防止としてスペードのエースに王冠などの複雑な装飾に変更することにしたそうです。
その頃の名残から、スペードのエースは他のカードに比べ、大きく派手なデザインとなったとされています。
ウンチクを織り交ぜてトランプマジック!
トランプで代表的な遊びのひとつに「カードマジック」があります。
そのマジックを披露する際に、トランプのウンチクをさりげなく織り交ぜてみましょう。
誰もが慣れ親しんだトランプに、実は隠された秘密があったということを知れば、多くの人は驚き関心をもつことでしょう。
マジックがもつ不思議な雰囲気を、トークでより効果的に盛り上げることができます。
もちろんウンチクだけではなく、あっと驚かせるようなテクニックを身につけることも大切です。
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カードの本当の意味を知ればトランプが楽しくなる
普段、何気なく遊んでいるトランプには、描かれているマークや絵柄に深い意味が隠されています。
その意味にはとても神秘的で奥深い世界が広がっており、知れば知るほど引き込まれていきます。
今後トランプを手にとる機会があったら、ぜひじっくりとそのマークや絵柄を観察してみてください。
きっと今までとは違う新しい視点で、トランプを楽しむことができるようになるでしょう。
この記事のまとめ
- トランプという呼び方は日本特有
- トランプのマークや絵柄には意味がある
- スペードのマークが派手なのは、昔のイギリスが課した税金の名残
- トランプのウンチクはマジックを盛り上げる要素のひとつ