「バーベット」という言葉をご存知ですか?
マジックやトリック好きの方でなければ、なかなか聞きなれない用語かもしれません。
バーベットというのは、酒場などで相手を引っ掛けてお酒をおごらせるために使われていた”賭けゲーム”のことを指します。
賭けを提案した本人が必ず勝てるようになっているので、簡単におごらせることができるというわけです。
でも、そんなイカサマみたいなもの使う機会がない?
いえいえ、自分の手の内にあるゲームなら使い方次第で周囲を驚かせるエンターテイメントにもなるのです!
この記事では、いくつかのバーベットのテクニックと楽しみ方についてご紹介します。
目次
バーベットとは
バーベットとは英語で「Bar bet」です。
言葉の通り、バー(酒場)でベット(賭ける)ことを意味します。
お酒を提供する店やパーティなど、人々が集まりやすい場所で行うことが多く、相手もその雰囲気をわかった上で楽しむことが目的のゲームです。
欧米では1ドル札などを賭けることもあるようですが、それも盛り上がるための演出のひとつ。
お金を儲けることが目的ではありません。
また、バーベットに欠かせないのはあっと驚くようなトリックです。
タネを知らない人にとっては、まさにマジックといったところでしょう。
バーベットを行う場合にはいくつか注意が必要です。
- くれぐれも相手を選ぶこと
お互いだましだまされの雰囲気を楽しめるような、理解ある相手にバーベットを仕掛けましょう。 - 金儲けしない
お酒や小銭を賭けるとしても、それはあくまでバーベットのショーを盛り上げるための演出に過ぎません。高額な金銭の賭けは、そもそも国内では違反に問われる可能性もあります。 - 準備はしっかり
即興っぽくしたほうが盛り上がるかもしれませんが、本当になんの準備もなしにバーベットに挑むのは危険です。トリッキーな技を使うわけですから、自然に見せるための事前練習を怠ってはいけません。
マナーを守って楽しく盛り上がる、それがバーベットの大切なルールです。
賭け?イカサマ?バーベットのゲーム
実際使えるバーベットのゲームをいくつかご紹介していきます。
果たして、賭けなのかイカサマなのか?ぜひ実践して確かめてください!
マッチと質問
【用意するもの】
マッチ3本・コイン1枚
まずはマッチ3本を三角になるようにテーブルに並べます。
そして、真ん中の位置にコインを置きます。
このときのコインは相手から借りると良いでしょう。
次に
- 「これから3つ質問をします。あなたは何を聞かれても『3本のマッチ』と答えてください。もしも違う答えを言ったらあなたの負けです。その場合、このコインはいただきます。」
言われた相手は「そんなの簡単!絶対勝てる!」と思うはずです。
さらに続けて質問をしましょう。
- 仕掛け人
「このゲームの名前は何ですか?」 - 相手
「3本のマッチ」 - 仕掛け人
「あ!あなたはこのゲームを知っていますか?」 - 相手
「知らないよ」
このように、ここで相手が「知らない」あるいは「知っている」と言ってしまえば、このゲームは勝ちです。
しかし、この時点では「3本のマッチ」と答える強者もいるかもしれません。
そんなときには次の質問をします。
- 仕掛け人
「ここにあるコインで、あなたは何を買いたいですか?」 - 相手が何を言ってもコインはあなたのものになります。
これは、どう答えても負けが確定しているゲームなのです!
ゲーム終了後はコインを返却するか、立場を逆転させて同額賭けるなどしてお互い損のないよう楽しみましょう。
カードを垂直にする
【用意するもの】
トランプのカード1枚・水の入ったグラス・コップ
- トランプを1枚差し出し「これをテーブルと垂直に立てることができたら、1杯おごる」と相手に言います。
- このとき、指で支えたりカードを折ったり、何かに立てかけたりするのは禁止であることも言い添えます。
さて、相手はこの難問に頭を悩ませるはず…。
しばらく悩ませたら種明かしです。
グラスの水で指を濡らし、カードの表面をなぞります。
そしてテーブルの縁に張り付ければ、トランプとテーブルは垂直というわけです。
とんちの効いたバーベットなので、お酒の席での軽いジョークとして楽しんでください。
相手にウケれば、本当に1杯おごってくれるかもしれません。
テーブルとコイン
【用意するもの】
自分と相手でそれぞれ100円玉4枚ずつ
100円玉4枚をテーブルの上に置きます。
相手にも同じようにしてもらいます。
次に、お互いコインを1枚だけしまいます。
机の上にあるコインが600円の状態で、相手にこう言ってみましょう。
- 「この机の上にあるコインすべてを、500円で売ります。あなたは買いますか?」
もしも、ここで相手がイエスといったら…。
あなたが実際相手に払ったのは300円だけですから、200円儲かることになるのです!
このバーベットのコツは、相手に深く考える隙を与えないことです。
みごと、相手がイエスと言った場合には、最後に種明かししてお金を返すことも忘れずに。
マジックと共通するトリックがある
お酒の席などで相手を楽しませるための小粋なジョーク「バーベット」。
しかし、そこにはちょっとしたトリックも含まれていて、観衆を驚かせることも可能です。
仕掛けがあり、相手をびっくりさせる点は、マジックとも通じるところのあるゲームだと言えるのではないでしょうか。
ここでご紹介してきた以外にも、下記のようなマジック顔負けのトリックを使ったさまざまなバーベットが存在します。
- お札を別の種類のお札に変える
- 相手に気付かれずに顔に落書きする
- サイコロやダイスの目を見ないで当てる
- 絶対に負けないポーカー
タネを知っている人には簡単に思えてしまうかもしれませんが、そこは演出次第です。
初心者の場合はマジック道具の市販商品や子ども用の知育マジックセットを活用するのもおすすめです。
慣れてきたら友人とペアを組んでバーベットを披露したりと、持ちネタとして使ってみてはいかがでしょうか。
いかに自然に見せられるかが、マジックにもバーベットにも必要な技術です。
何度も練習して腕を磨くことが、より相手を楽しませることにつながるでしょう。
バーベットとマジックの違いは種明かしするかどうか
コインマジックやトランプのカードマジック、クイズやパズルなどを使って行われるバーベットと何が違うの?と疑問に思った人もいるかもしれません。
小道具やトークによる演出など、バーベットとマジックは非常に近いエンターテイメントです。
しかし、バーベットとマジックには大きな違いがあります。
それは、最後に種明かしをするかどうかです。
バーベットは基本的に演出のひとつとして賭けが使われることが多いので、最後に手の内を見せてチャラにするというわけです。
そのセオリーに沿うことができれば、マジックをバーベットとして使うことも可能です。
「マジックムービージャパン(MMJ)」なら、プロのマジシャンによるさまざまなマジックとその種明かし動画を見ることができます。
バーベットの参考として、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
軽いジョーク+お酒=バーベット
バーベットはかつて酒場に集まるコミュニティのなかで行われるものでした。
仲間たちがお互い軽いジョークをお酒とともに楽しむことで、より親交を深めるツールになっていたのです。
現在でも、バーベットは十分コミュニケーションスキルとして役立ちます。
冗談のようなトリックと種明かしは、ともに驚き笑い合う楽しい時間を提供してくれるでしょう。
また、女性との仲を深めるためのモテテクニックとしても有効です。
「もしも、こちらが賭けに勝ったら君に1杯おごらせてほしい」という風に、話のきっかけにも使えますよ。
とはいえ、お酒を賭ける場合は飲みすぎに注意しましょう。
ボトルで、なんて欲張らずショットグラス1杯くらいの賭けがスマートで紳士的です。
この記事のまとめ
- バーベットはBar(酒場)でbet(賭ける)という単語の組み合わせ
- バーベットとはお酒や小銭を賭けて行われることが多い、トリックのある賭けゲームのこと
- 種明かしまですることが、マジックとバーベットとの違い