トランプやカードゲームを行うときに欠かせないのが、カードを混ぜる「シャッフル」という行為です。
とにかく混ざればいいと、適当にシャッフルしている方もいるかもしれませんが、実はカードの混ぜ方にはさまざまな方法が存在します。
この記事では、代表的な【ヒンズーシャッフル】やそれ以外のシャッフル方法と、そのコツについて解説していきます。
美しいシャッフルができれば、それだけでトランプゲームやマジックでのテンションも上がるはずです。
ぜひ皆さんもチャレンジしてみてください!
目次
トランプ・タロットで使われる【ヒンズーシャッフル】とは?
日本をはじめとする東洋で、もっともポピュラーなやり方である「ヒンズーシャッフル」についてご紹介します。
由来
「ヒンズー」という言葉からピンと来た人もいるかもしれませんが、この名が表すように「ヒンズーシャッフル」はヒンズー教の信仰者が多いインドが由来としています。
インドのマジシャンがこのヒンズーシャッフルをよく用いていたことから、この名で呼ばれるようになりました。
種類
通常マジシャンが行うヒンズーシャッフルと、日本人の大多数が行っているヒンズーシャッフルは少し違います。
日本で一般的に想像されるであろうシャッフルは「ジャパニーズヒンズーシャッフル」と呼ばれています。
ヒンズーシャッフル
デックの幅の長い方(サイド)を持って行うシャッフルです。
デックを支える方の手のひらは上向きに、カードを切る方の手のひらは下向きになっているのが特徴です。
数枚のカードの塊を下から引き出し、上へ乗せるという動作を繰り返します。
東洋人は西洋人に比べ手のサイズが小さいため、幅の狭い方で支えるヒンズーシャッフルが一般的になったとされています。
ジャパニーズヒンズーシャッフル
ヒンズーシャッフルで両手のひらが上を向いているやり方を「ジャパニーズヒンズーシャッフル」と呼びます。
こちらも連続してカットしていくシャッフルです。
カードシャッフル方法とコツ
日本では「ヒンズーシャッフル」が一般的ですが、ほかにもあらゆるシャッフルが存在します。
ここではさまざまなシャッフル方法と、そのコツについて解説していきます。
ぜひ複数のシャッフルを組み合わせ、活用してみてください。
オーバーハンドシャッフル
欧米では主流な方法として使われているシャッフルです。
ヒンズーシャッフルがカードのサイドを持つのに対し、オーバーハンドシャッフルは短い部分(エンド)を持ってカードを切ります。
まずカードを横向きに持ち、親指でデックのエンドを押さえます。
残りの指は裏面を支えましょう。
このとき小指は手前側のコーナーを支えるように持つと安定します。
あとは切る方の手の親指で軽くトップカードを押さえながら、カードを少しずつ取り、デックの下にスライドさせていきます。
少しの枚数のスライドを繰り返すため、カードが細かく混ざりやすいのが特徴です。
また、このシャッフルはカードコントロールもしやすいので、マジックにおすすめの方法です。
ただし手の小さい方には少しやりづらいという難点もあります。
リフルシャッフル
両手でカードを細かく咬ませ合うシャッフルです。
カードは傷みやすいですが、見た目が美しく派手なパフォーマンスができます。
まずトランプを半分に分けます。
左右それぞれの手で、上のエンドを親指、下のエンドを中指と薬指で支えます。
次に人差し指と親指でカードを挟み込むような状態にしてから、両手の束の端同士を向い合せます。
そして親指を少しずつカードから離していきます。
こうすることで、パラパラとカード同士を咬ませることができます。
このとき、小指でカードがぶれないようにしっかり支えることがコツです。
最後に、咬ませたカードを逆V字に湾曲させてから力を抜くと、1つの山札にまとまります。
ばらけた部分を整えたら終了です。
最初はテーブルの上で行うと、カードがバラけずにやりやすいです。
慣れてきたら空中で行うと見栄えが良いでしょう。
ちなみにこれと似たシャッフル方法で、「ファロー・シャッフル」という方法もあります。
これはパラパラとめくらずに、一気に2つの束を嚙合わせるやり方です。
一瞬でカードシャッフルすることができますが、慣れていないとカード自体を傷つけてしまう恐れがあるため注意が必要な技です。
ウォッシュシャッフル
もっとも簡単で、よく混ぜることのできるシャッフル方法です。
テーブルなどにカードを広げ、手でかき混ぜます。
上下を揃えることはできないので、カードの方向を気にしなくてもよいゲームなどに適した混ぜ方です。
短時間で確実にシャッフルすることができます。
トランプゲーム開始時など、見栄えよりも混ぜることを優先するときに最適です。
ディールシャッフル
プレイヤーにカードを分けるような方法でシャッフルします。
自分の目の前に、適当な数の山(パケット)を、1枚ずつ配って作っていきます。
だいたい5~8山くらいがおすすめです。
すべて配り終えたら、1つの山にまとめて終了です。
このシャッフルは他のシャッフルよりも時間がかかりますが、確実に混ぜることができ、カードも傷みにくい方法です。
ポイントとしては、最後にまとめるときに、山をランダムに重ねていくと偏りが出ません。
ほかのシャッフル方法も応用した方が良い
ヒンズーシャッフルなら知っていたし、いつもやっているから問題ないと思われた方もいるでしょう。
しかし、それ以外のさまざまな種類のシャッフル方法を習得することをおすすめします。
他のカードシャッフルと合わせて行うことで、さらなるメリットがあるのです!
恰好いい
いろいろなカード捌きができれば、見た目の格好良さにつながります。
とくにカードマジックを披露しようと考えている方には、ぜひ身につけていただきたい技法です。
マジックのイントロで滑らかなカードシャッフルを披露すれば、カードの扱いに慣れた上級マジシャンっぽさを演出できます。
しっかり混ざる
配ったカードに偏りがある、と感じたことはありませんか?
それはうまくカードが混ざっていなかったせいです。
実はヒンズーシャッフルだけでは、まんべんなくカードを混ぜることができません。
まとまった束を移動させているに過ぎないので、部分的にしかカードが混ざらないことがあります。
いくつかのシャッフル方法を組み合わせることで、そうしたカードの偏りを解消することができます。
優しくシャッフルしてカードを大切に扱おう
シャッフルはカード捌きの基本であり、さらにプレイヤー本人のカードに対する扱いが見られる行為であるともいえます。
そのため、雑なシャッフルをするのはあまりおすすめできません。
カードが傷つく可能性が高く、なによりカードに対する愛情が感じられないと印象が悪くなってしまうことがあります。
カードを傷みにくくしたいのであれば、スリーブ入りのカードを使用することがおすすめです。
スリーブは、カードの損傷を防ぐために装着するものです。
カードゲームを行う際には、相手への見栄えも考え、アイテムを大切に扱うこともマナーのひとつではないでしょうか。
ぜひシャッフルを行うときには、優しくカードを扱ってあげましょう。
マジックにおいても混ぜるテクニックが必要
カードマジックでは、シャッフルは必須テクニックのひとつです。
カード捌きを見せつつ、観客の視線をコントロールすることは、マジックの中でしばしば行われています。
たとえば、シャッフルしている隙に特定のカードをトップやボトムに移動させる「コントロール」や、カードの中身を盗み見る「グリンプス」といった技術も、シャッフルの間に行われるトリックです。
華麗でスムーズなシャッフルであればあるほど、マジックのトリックも成功しやすくなるでしょう。
シャッフルの練習を地道に行うのもよいですが、プロのシャッフル方法を実際に見ることも非常に参考になります。
マジック動画サイトの「マジックムービージャパン(MMJ)」なら、シャッフルはもちろんプロのマジシャンによるさまざまなカードテクニックの動画を見ることができます。
シャッフルやマジックの技術向上を目指すなら、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
いろいろなシャッフル方法でスマートにゲームを
カードを混ぜるという行為には、バラバラに混ぜたりパフォーマンスとして魅せたりと多種多様に目的があります。
いくつかシャッフルのやり方を身につけておけば、確実に混ぜたい場合や、とにかく派手に観客を惹きつけておきたい場合など、シーンごとにシャッフル方法を使い分けることも可能です。
さらに、トリックを挟んだ華麗なシャッフルを習得すれば、マジックの前座で披露したりつなぎで魅せたりすることもできます。
カードゲームにおいても、かっこいいシャッフルは周囲を盛り上げるのに一役買うことでしょう。
もっとカードを楽しむためにも、ぜひいろいろなシャッフル方法にチャレンジしてみてください!
この記事のまとめ
- シャッフル方法にはさまざまな種類がある
- 日本で一般的に行われている方法は「ヒンズーシャッフル」
- さまざまなシャッフルを身につけることで、ゲームやマジックでの応用が可能
- シャッフルはパフォーマンスとしてもオススメ