自由の女神の消失や、万里の長城の通り抜けなど、これまでにないダイナミックなイリュージョンをテレビなどで披露し、一躍大スターとなったマジシャン「デビット・カッパーフィールド」をご存知ですか?
彼の披露するイリュージョンは、「まさに奇跡」と世界中から賞賛され、そのトリックは門外不出とされていましたが、ある事故をきっかけにその種明かしをしなければならなくなってしまいました。
今回の記事では、そんな世界的マジシャン「デビット・カッパーフィールド」について、詳しく紹介していきます。
目次
世界的マジシャン【デビッド・カッパーフィールド】とは
デビッド・カッパーフィールドは、世界でもっとも有名なマジシャンの1人です。
優れたマジシャンに贈られる「マジシャン・オブ・ザ・イヤー」を2度受賞したほか、フォーブス誌の「世界で最も稼ぐマジシャン」で首位を獲得するなど、世界的に大きな成功を収めています。
日本でもショー公演やテレビ出演などを通して、広く知られています。
芸名はディケンズの小説
デビッド・カッパーフィールドの本名は、デビッド・セス・コトキンといいます。
カッパーフィールドという芸名は、チャールズ・ディケンズの自伝的長編小説「デイヴィッド・コパフィールド(David Copperfield)」の主人公の名前の英語読みからつけられました。
現在はデビッド・カッパーフィールドという名前といえば、小説ではなくマジシャンを思い浮かべる人の方が多いでしょう。
双子の噂も浮上
デビッド・カッパフィールドの有名なマジックの1つである瞬間移動は、そのあまりにも現実離れした現象に、彼は双子なのではないかといった噂が浮上したほどです。
さらに彼のアシスタントを務めた女性までもが双子なのではないかという憶測が飛び交いました。
実際に双子が瞬間移動のトリックだったというマジックも存在しているようですが、デビッド・カッパフィールドが双子だという事実はありません。
映画にも影響
デビッド・カッパフィールドのマジックは、時には映画界にも影響を与えました。
彼のマジックショーを見た映画監督「ルイ・レテリエ」が、デビッド・カッパフィールドに劇中マジックの監修を依頼し、数々のイリュージョンが登場するエンターテイメント映画「グランド・イリュージョン」を制作しました。
デビッド・カッパフィールドは、「グランド・イリュージョン」の撮影に同行し、マジック実演のアドバイスを行っていましたが、イリュージョンのトリックについては監督にも知らさせることはなかったそうです。
すごすぎる!デビッド カッパーフィールドのイリュージョン!
数あるデビッド カッパーフィールドのイリュージョンのなかでも、世界中が驚き、賞賛したイリュージョン「胴体分離」を紹介していきます。
胴体分離
「胴体分離」はイリュージョンマジックではよく見られますが、デビッド・ カッパーフィールドの胴体分離は、分離した状態で自由に動き回るという現象が起こります。
レーザービームを体に当てると、上半身と下半身が分離するという摩訶不思議なマジックです。
上半身が下半身を抱きかかえた状態で歩いたり、ジャンプしたりするスーパーイリュージョンに多くの人が驚愕しました。
ネタバレ!デビッド・カッパーフィールドのイリュージョンを種明かし
デビッド・カッパーフィールドのイリュージョンのなかでも、「自由の女神消失」のマジックは、日本のテレビで放送されたことがあり、見たことがあるという人も少なくないはずです。
このイリュージョンには果たしてどのようなトリックがあったのでしょうか。
種明かしをしていきましょう。
あわせて読まれています
イリュージョンマジックとは?ショーの世界的有名人や別種類のマジックとの違いを解説
近年、マジックの世界で使われるようになった言葉の1つに「イリュージョン」があります。 イリュージョンという言葉はもともと「幻想」や「錯覚」という意味がありますが、まるで幻想を見せるようなエンターテイン ...
続きを見る
自由の女神消失マジックの種明かし
自由の女神と観客、TVカメラの間には2本の柱があり、周辺に遮蔽物(しゃへいぶつ)は一切ありません。
柱の中央部にちょうど自由の女神が見えるような状態になっており、その2本の柱に幕がかけられて自由の女神が隠されます。
デビット・カッパフィールドの合図により幕が開けられると、目の前にあった自由の女神が消失し、なんと台座だけになっているというイリュージョンです。
ヘリコプターによる上空からの映像を見ても、柱の外側に設置したポラロイドカメラによる連続写真を確認しても、自由の女神だけが消失しています。
実は、このイリュージョンは映像トリックではなく、大掛かりな仕掛けによるものです。
なんと観客席は電動で回転する台の上に設置されており、ゆっくりと台が回って自由の女神がない方向へ観客席が向いたことで、まるで自由の女神が消えたように見えるというトリックでした。
現場にいた観客だけでなく、テレビの前の視聴者もそのトリックを見破ることはできませんでした。
カッパーフィールドはイリュージョン中の事故によってトリックのネタバレをすることに
マジシャンの世界では、率先して種明かしをすることはタブーとされているように、デビット・カッパーフィールドもマジックのトリックを一切公表していませんでした。
しかし、2013年ラスベガスの「MGMグランドホテル」で開催されたデビット・カッパーフィールドのマジックショーに参加していたイギリス人の男性が、重症を負った事故が起きてしまいました。
そのことがきっかけで、デビット・カッパーフィールドは裁判でマジックの種明かしをしなければならなくなりました。
行われたのは、13人の観客をステージから観客席の後方に瞬間移動させるというイリュージョン。
「観客からは見えない通路を通って観客席の後方まで移動する」という非常にシンプルな仕掛けでした。
告発人の男性はこの通路を通る際に転倒してしまい、大怪我を負ってしまったのです。
タネを知ったら、次はマジックを実践してみよう
世界を驚愕させたデビット・カッパーフィールドのマジックにも、タネや仕掛けがあり、言わば技術や演出力があれば、誰でも実現することができるということです。
デビット・カッパーフィールドのような、スターマジシャンに憧れているという人は、まずはそのタネを知り、そして実際にマジックに挑戦してみましょう。
マジックの練習を行うには、本やスクールに通うという手もありますが、忙しいし気軽に練習したいという方は動画を見ることがおすすめです。
マジックの動画サービス「Magic Movie Japan(MMJ)」では、プロのマジシャンによるマジックの実演動画と種明かし動画の両方が配信されていますので、初心者でも楽しみながらマジックのテクニックを学ぶことができます。
気になる方は、ぜひ「Magic Movie Japan(MMJ)」を利用してみてください。
イリュージョンはマジック
まるで奇跡のようなイリュージョンも、実はタネも仕掛けもあるマジックの1つです。
デビット・カッパーフィールドのように、かなり大掛かりな仕掛けを使ったイリュージョンはなかなか簡単には行えませんが、テクニックや演出をうまく使って、大きなインパクトを与えるマジックを披露することは可能です。
ぜひ、周りをあっと驚かせるイリュージョンに挑戦してみましょう。
この記事のまとめ
- デビット・カッパーフィールドは世界を代表するマジシャン
- デビット・カッパーフィールドのイリュージョンは大掛かりな仕掛けがある
- デビット・カッパーフィールドは裁判でマジックの種明かしをした
- 練習すれば誰でもイリュージョンを行うことができる