スリ師と聞いて皆さんはどんな印象をお持ちになりますか?
もちろん、人のポケットからお金や財布を盗むのですからスリ師は犯罪者です。
できることなら関わりたくはありませんよね。
でもそれが世界最高のスリ師だったらどうでしょう。
ちょっと会ってみたいと思いませんか?
そこでこの記事では、世界最高と呼ばれている天才スリ師「アポロ・ロビンス」についてご紹介していきます。
目次
天才スリ師「アポロ・ロビンス」とは?
アポロ・ロビンスという名前を知っている日本人はそう多くないでしょう。
しかし、彼は世界的に知られた天才スリ師です。
もちろん犯罪者というわけではありません。
その華麗なスリの技術でパフォーマンスをしたり、講演活動を行ったりしている善良な市民で、とにかくそのスリのテクニックは超一流です。
アポロ・ロビンスは1974年にテキサス州で生まれました。
誰もが認めるスリの天才、そんなアポロ・ロビンスの経歴や実績を見ていきましょう。
紳士的な泥棒という異名を持つスリの専門家
アポロ・ロビンスには「天才スリ師」のほかに「紳士的な泥棒(ジェントルマン・シーフ)」という異名があります。
そんな彼が一躍有名になったある事件をご紹介しましょう。
彼はある人物から所持品をすったのです。
その人物とは、カーター元大統領の護衛官。
いわゆるシークレットサービスという人ですね。
大統領の命を守るのが彼らの仕事ですから、集中力や注意力は一般人とはまったく違います。
うすぼんやりしていては仕事をまっとうできません。
彼らは驚異的な注意力や集中力を養う特殊なトレーニングを受けています。
そんな注意力のスペシャリストとも呼べる彼らから、ロビンスはいとも簡単にスリを行ったのですから、彼の技術の高さは疑いようがありません。
このことはニュースで大きく 取り上げられ、それ以降ロビンスはスリや犯罪の専門家として注目されるようになったのです。
映画「フォーカス」の監修

出典:https://www.amazon.co.jp/フォーカス-DVD-ウィル・スミス/dp/B01AK3D43Q
アポロ・ロビンスはその高度なスリの技術を買われて、ある映画に関わることになります。
それがウィル・スミス主演の「フォーカス」という作品。
これはウィル・スミスが天才詐欺師を演じるという映画なのですが、ロビンスはこの映画のを監修しました。
いくら映画の中のお話だとしても、いい加減なスリのテクニックではリアリティがありません。
そこで本物の腕を持つアポロ・ロビンスが選ばれたのでしょう。
ネタバレになるので詳しくは言えませんが、この作品のなかでウィル・スミスはロビンスのスリの技術を完コピしております。
そのおかげもあり、フォーカスはあらゆるランキングにてベスト詐欺師映画作品であるといわれています。
なお、この映画で天才詐欺師ニッキーを演じたウィル・スミスは彼について
https://eiga.com/news/20150427/11/
とコメントしています。
アポロ・ロビンスの注意力の操り方
では、アポロ・ロビンスは具体的にどうやって人間の注意力を操り、ポケットからものを抜き取るのでしょうか。
その方法を見ていきましょう。
ロビンスはTEDという有名なプレゼン動画に出演したときに、以下のように説明しています。
人間の脳の中には小さな警備員(彼はこの警備員をフランクと呼んでいます)のようなものがいて、常に情報を処理しながら周囲を見張っています。
しかし、この警備員に記憶をさかのぼらせたり違うことをやらせたりすると、注意力は散漫になり、人を操ることができる。
このプレゼンでロビンスはJoe(ジョー)という観客を選んで、ステージに上げています。
「ちょっとゲームをしましょう」と言って、ポーカーチップを使ってジョーの注意を引き、それを利用してさまざまなものをすっています。
ちゃんと自分の目で見ているはずなのに、見えていないのです。
頭の中にいるフランクという警備員を混乱させることでattension注意を引き、知覚を混乱させました。
人の心理を巧みに操り注意をそらしている点では、天才スリ師は天才詐欺師ということもいえそうです。
なお、このTEDでは、ロビンスは観客の気づかないうちに服装を変えています。
ショーの最初で「close your eyes目を閉じて、私の服装を思い出してください」と言って自分の服装を覚えさせた後、ショーの終盤で同じ質問をして服が変わっていることに気づかせたのです。
最後に観客たちが拍手喝采を惜しまなかったことは想像に難くないでしょう。
アポロ・ロビンスが紹介したスリのテクニック
天才スリ師といっても、具体的にどんなことができるのか、どんなものが盗めるのかが気になりますよね。
アポロ・ロビンスが具体的なテクニックを解説している動画がこちらです。
腕時計
天才スリ師の手にかかれば腕に巻いている時計だって盗めます。
もちろん力ずくで奪うのではありません。
相手の注意力を散らし、そのすきに盗むのです。
そんなことが本当にできるのかとお思いでしょうが、ロビンスならできます。
彼のやり方はこうです。
まず、ターゲットと握手し、そのすきに腕時計のバンドを外しておきます。
もちろんモタモタしていると気づかれますから、一瞬で外してしまいます。
あとは相手もポケットなどに注意を向かわせている隙に腕時計をさっとかすめ取るのです。
驚くのは、相手が腕時計を盗まれたこと自体に気づかないことです。
知らないうちに時計を盗まれて、相手は笑うしかありません。
ジャケットの内側にある財布
財布のすり方も巧みです。
それもジャケットの内ポケットに入っているものを盗みます。
内ポケットのものを盗むには、相手の胸に手を突っ込まなければならないため、不可能と思うかもしれませんが、それができてしまうのがロビンス。
まず相手のジャケットを触るふりをして財布をあらかた取り出しておき、相手の胸に手を当てて押さえておきます。
相手はこれで胸には財布があると思い込んでしまいます。
あとは相手の気を引き、そのすきに財布を取り出して死角へ移動させるだけです。
スマートフォン
最後はスマートフォンです。
しかもロビンスは一番難しいとされるズボンの前ポケットに入っているスマホを盗みました。
まずジャケットに注意を向けさせながら、自分の足を前に出し、相手の両足の間に入れます。
このように体を密着させた状態で、一瞬の隙をついてさっとポケットからスマホを取り出せば成功です。
相手は注意がほかの場所に向いているので、前ポケットから物が盗まれていても気づきません。
スリの技術はマジックにも応用できる
スリは犯罪なのでやってはいけませんが、アポロ・ロビンスのような技術を手に入れると、マジックにも応用できます。
優れたマジシャンは相手の注意力をそらしたり、先入観をうまく利用することに長けているからです。
もちろん彼の手先の器用さも見習うべき点です。
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アポロ・ロビンスのテクニックで周囲を驚かそう
スリのテクニックに精通することは、人間の心理に精通することでもあります。
もちろんスリは犯罪です。
しかしその技術を学ぶと、きっとそれ以上の大きなものを得ることでしょう。
マジシャンとしてのアポロ・ロビンスの技術は貴重です。
彼の技術を使って周囲を驚かせれば、あなたもきっと人気者になれますよ!
この記事のまとめ
- アポロ・ロビンスは世界最高の呼び声高い天才詐欺師
- ロビンスはカーター元大統領の護衛官からもスリを成功させた
- ウィル・スミス主演の映画「フォーカス」の監修もアポロ・ロビンス
- ロビンスは人の注意力を自由自在に操ることで、高度なスリを成功させている
- スリの技術はマジックにも応用できる